映画『マザーウォーター』

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京都で『マザーウォーター』を観る。

なかなか賛否両論な映画みたい。
どび~の周りの男子には不評でした。
でも、どび~は悪くはないと思ってます。
まあねえ、『かもめ食堂』好き+京都好きってことがありますからねえ…。

どび~が観て最初に思い出したのは、現代アメリカ文学のミニマリズムという考え方。
ちょいと他人の文章を引用してみると…。

ミニマリズムというものを定義するために、ミニマリストと呼ばれる作家達の作品の特質を列挙してみよう。第一に、小説としてのサイズが非常に小さいこと。第二に、文体が非常に簡潔であるということ。また簡潔であると同時に、切り詰めた文体の意識的な利用ということ。第三に、スタイル面での現在形の多用、すなわちドラマの抑止ということ。第四に、題材が非常に日常的性格を持つということ。つまり、'banality' というか、題材そのものの小ささ、ということ。第五に、人物を通して表現される作家の心的態度が虚無的、ないし、極度に受動的であること。第六に,ミニマリズムを非難する人々が指摘するように、社会的な広がりの欠如,空間の小ささということ。第七に、題材に対する緻密な目。そしてそこから一種の暗示性を読者は受け取ることができるということ。

作家としては、1970年代から80年代にかけて登場したレイモンド・カーヴァー、アン・ビーティなどのことを指します。

どび~の卒論テーマでもあったんですわ~。なっつかし~。
そんな定義のこともすっかり忘れてました。(笑)

ま、とにかくテーマもスタイルもサイズも小さく、日常的ってこと。
(それだけじゃない気がするけど…。)
まさにこの映画じゃないですか???

なので、こういう小説なんかが好きな人にはたまらない映画なのですよ。

なので、ドラマティっクな内容とか、結果を求めるとか、途中経過とかを求めると、この映画を観た結果は非常にがっかりします。
ただただ、この映画の中に身を委ねて、そこにあるものをそのまま受け入れる。
そうすると、自然と幸せな気分になるんじゃないかな…。

この映画の中にはほとんど京都の名所は出てきません。
そんな中、どび~が唯一わかった場所。
エンドクレジットにも名前が出ていました。
小泉今日子さん演じるタカコさんの喫茶店です。
前に行った北白川疎水傍のshizukuでした。
なんだか、とっても不思議な感じ…。

2010年10月30日よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国にて公開

by dobbymylove | 2010-11-14 20:15 | Movie