舞台『ザ・キャラクター』

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昨日、NODA MAPの舞台『ザ・キャラクター』を観劇する。

相変わらず面白かった。

それは町の何でもない
小さな書道教室からはじまった・・・

町の小さな書道教室、そこに立ち現れるギリシア神話の世界、
それが、我々の知っている一つの物語として紡がれていく。
物語り全てが、ギリシア神話さながらの、
変容をモチーフとしたお話になっています。
信じていたものが、姿を変え、変化を遂げていく物語。
その最後に立ち現れる、我々が知っている物語とは・・・。
物語り尽くしの物語です。乞う、ご期待!


既に何人もの人が書いているからネタばれにはならないでしょう。
今回は野田さん、オウム事件を扱っている。
あんなにも衝撃を与えた事件だったのに、いつのことだっただろうか?と思ってGoogleしてみた。

オウム真理教の教祖である麻原彰晃(本名:松本智津夫)が救済の名の下に日本を支配して、自らその王になることを空想し、それを現実化する過程で、外国での軍人訓練や軍事ヘリの調達、自動小銃の密造や化学兵器の生産を行い武装化し、教団と敵対する人物の殺害や無差別テロを実行した。

一連の事件で27人が死亡し(殺人26名、監禁致死1名)負傷者は6000人を超えた。

特に注目される事件として、教団と対立する弁護士とその家族を殺害した1989年11月の坂本堤弁護士一家殺害事件、教団松本支部立ち退きを求める訴訟を担当する判事殺害を目的としてサリンを散布し計7人の死者と数百人の負傷者を出した1994年6月27日の松本サリン事件、教団への捜査の攪乱と首都圏の混乱を目的に5両の地下鉄車両にサリンを散布して計12人の死者と数千人の負傷者を出した1995年3月20日の地下鉄サリン事件があげられる。

被害者の数や社会に与えた影響や裁判での複数の教団幹部への厳罰判決などから、日本犯罪史において最悪の凶悪事件とされている。


そうか、既に15年が経過してしまったのか。
ということは、時効になるのだろうか?
それとも日本犯罪史において最悪の凶悪事件とされているぐらいだから時効などないのだろうか?

どうして野田さんはオウムを扱ったのだろうか?

あんなにも凶悪な事件だったけれど、あまりにも人間の愚かさを露呈させた事件だっただけに、野田さんとしては扱わずにはいられなかったのだろうか?
野田さんのインタビュー記事を見つけようとしたけれど、見つからなかった。
残念…。

それにしても、何しろ最高学府である東大出身者ですら、どうみても胡散臭い教祖の言いなりになってしまったのだ。
愚かと言わずになんと言おう?
愚かの対極にある賢さの象徴のような人のはずなのに…。

そこをこれまたコメディのみならず物語の基のひとつであるギリシア神話を使って描きだしたのは、流石です。
何しろ、ギリシア神話のみならず出雲神話でも、神様という人たちは愚かなことばかりをしている。
まあ、その物語を通じて、人は愚かさというものを学ぶのだけれど…。

それほどまでに、オウム事件というのは凶悪にして滑稽なのかもしれない。
いや、そんなことを書いたら被害者の人が読んだら怒ってしまうかもしれない。
しかし、人は賢いと思っている人ほど、弱みを見つけられるとそこを突かれ、簡単なまでに落ちていくのだ。
それは大きさは関係がないのかもしれない。
う~ん。
恐ろしくも滑稽。愚か。

人というのは忘れていくものだ。
そういうものらしい。
どび~など物忘れがひどくて仕方がない。
しかし、戦争、オウム事件、911。
そういう事件は風化させてはいけない。
それを思い出させてくれた。
今の10代、20代の人がどれだけこれらのことを知っているのだろうか?
それは親が学校が教えてくれていないに違いない。
それほど日本は相変わらず平和ボケということなのか?
日本もそれなりに危険をはらみ始めていると思うが、平和ボケだけは蔓延している。

そのためか?
オウムのような胡散臭さ満載なのに崇められる教祖が現れ、日本を変えよう!などと思う輩が登場するのか
ということは、変化を求められている昨今、また、新たな輩が登場するのか?

もしかして、その警鐘なのか?

いや、あくまでも、すべてはどび~の想像にすぎない。
やはり、どこかで野田さんのインタビューが読みたい。
そして、どうしてこのストーリーを作り上げたのか?
聞いてみたいものだ。

それにしても、教祖役の古田新太さんが最高!

東京芸術劇場にて。

by dobbymylove | 2010-07-16 21:34 | Theater