映画『ノルウェイの森』

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映画『ノルウェイの森』を観る。

どび~はかなり村上春樹の小説は好きな方です。
なのに、唯一ではないけれど読んでいない小説がある。
それがこの『ノルウェイの森』

村上春樹村上龍
W村上として良く比べられていた。
どび~は断然、村上春樹派であって、村上龍の作品は全く読んでいない。
読まず嫌いというのはいけないのだが、どうにも、漂ってくる薄っぺらさと、やたらとセックスを通じての何かがもれ聞こえてきて、全く興味をそそられなかったのだ。
何かって言うのが、何ですが…。
愛や恋みたいのではなく、もろセックス!みたいな感じでしょうかね…。
そんな中、この『ノルウェイの森』もどこか同じ臭いがして、どうにもこうにも読む気がさらっさらしなかった。

なので、まるっきりといってよいほど素の状態で映画を観たわけです。

何と言っても売りは、
トラン・アンユン監督+リー・ビンビン撮影=美しい映像。
ワンカット、ワンカット、それはそれは美しい。

そして、これまたトラン・アンユンの趣味なのか、主人公たちの細いこと、細いこと…。
水原希子さんという女優さんは、日本人とアメリカ人のハーフらしいけれど、どこかベトナム的な香がするのは監督のせいなのでしょうか?

というか、美術が1967年の東京の設定なのだが、どうにも小道具などがベトナムっぽいのは気のせい?
ま、それはそれでお洒落なんですが…。

松山ケンイチという俳優さんは、何とも言えずこの1967年というか昔が似合います。
なのにダサくない感じ。
ある意味、この主人公ってダメダメじゃないですか?
その感じがとても出ていて、良かった。

そして、もうひとりの女優、所謂ハリウッド女優の菊地凛子さん。
彼女じゃない方がきっともっと良かった。
29歳…。ふけてる。っていうか、細いんだけど、違うなあ…。
毒ありすぎでしょう…。持ってるものが…。
不思議ちゃんらしいですが、不思議ちゃんでも毒ありすぎです。
とても精神病まないでしょう~みたいな…。

最後に、映画のことっていうか、ストーリーのこと。
この作品の中で真剣に向き合っていたのって、直子と自殺してしまったキズキだけなのか?
いや、それとしても直子を残して高校時代にキズキは自殺している時点で疑問かもしれない。

誰も彼もがふ~らふ~らふ~らふ~ら。

どうにも誰かを傍に置きつつ、もうひとりを追い求めているじゃないですか?
誰かを傍に置きつつ!ってのが嫌ですねえ。


そして、根本に流れるのはセックス。
直子にしても、緑にしても主人公ワタナベと話すときはセックスの話ばかり…。
67年代の女子大生は、学生運動も盛んで、自由を声に出して叫びたかったから、敢えて声に出して話していたのか?
なんだか、精神病んでる直子ですら、そんな感じがするしなあ…。
まあ全員じゃないのは、永沢さんの彼女のハツミさんからもわかるんですが…。

19歳、20歳の若者にとっては実際にそうなのかもしれないけれど…。
彼らにとって非常に重要なことで、非常に興味もあることなのだ。
でも、どこか頭でっかちな感じだなあ…。
そこに向かっていく情熱!っていうのならまだしも、それがない。
ノンポリが主人公だからか?
(ワタナベは学生運動真っ只中の大学で運動には加わってません。)

すべてがふ~らふ~らふ~らふ~ら。
どっちにもイイ顔しつつ、傍に置きつつって奴です。
合言葉は「もちろん!」
(これは映画を観るとわかります。)

でも、そんな感じは今のっていうかいつの時代も同じなのかもしれない。
今の10代、20代の恋愛事情もさほど変わらないんじゃないかな?

で、この映画は一体何を描きたかったんだろう?
どび~は何を書きたいんだ?
正直、途中からそんなことはどうでもイイやって感じにはなってました。

12月11日(土)全国ロードショー

by dobbymylove | 2010-12-22 19:43 | Movie